何かを変えよう、何かに上達しようとして継続的に行動を起こしている時、調子良くスムーズに前に進むこともあれば、「どうも気分が…」と思った通りにうまくいかないと思う時もあります。前者の時はそのままで何の問題もないでしょうが、後者の時は停滞感にとらわれてしまい、時には変える・上達するための行動を「もういいかな…」とやめてしまうこともある。読者の方とのやり取りやコーチングセッションを行っているクライアントの方からも、「最近どうも気分が下がってしまっていて…。どうすればいいでしょうか?」の様な質問を頂くことはよくあります。そういった質問に対して何らかの具体的な対策をお答えをする場合もありますが、前提としてお伝えしていることがあります。それは「気分が下がる・停滞していると感じることがあっても大丈夫」「変化や上達の仕方の度合いは人それぞれ」というものです。(もちろん、変えるための行動や上達していくための行動が、こうありたいと迷いなく思えるゴールに紐付いたものであることが大前提です)

変わってきているからこそ感じるもの

人は本能的に変化を嫌う生き物です。それは今までとりあえずは安定していた状態から何かを変えるということに、無意識で様々なリスクを感じてしまうから。何かを変える、上達していくために起こす行動はその安定を変えていくことだと言えます。だからこそ自分の無意識が、そうすることを避けようといろんな状況であったり心の状態であったりを作りだしてしまいやすいんですね。気分が下がることや停滞感を感じたりするのもその無意識の働きの一つだと考えられます。

例えば仕事の中で上司が新しい方針を示したといった時、大体の部下は「何でまた変えるわけ?あ~、面倒だな…。」と変化が起こることに不満を感じます。たとえ上司が示した方針が明らかに効率的でより良いものだったとしても、部下は「ん~、良いということはわかるけど…。」となるはず。それは、何らかの問題はあったとしてもとりあえずはこれまで仕事を回せていたからです。つまり一つの安定した状態を保てていたから。その安定した状態を変えていくということは、これまでやっていた仕事のやり方を変えながらも同時に新しく仕事のやり方を組み立てる必要があります。当然、頭を使い色々と考えていく必要がありますし、新しいやり方を模索しているためにミスを起こす可能性も上がり、上司に注意されるといったいろんなリスクが増えやすくもなる。だからこそ「何で変えるわけ?あ~、面倒だな…」となります。

コーチングの理論の中では「現状のコンフォートゾーンを維持しようとする」「現状の自分へ向けてホメオスタシスが作用する」といった言葉で、マインドの働きの一つとして説明されることです。ただここで少し見方を変えると、気分が下がると感じるのも停滞感を感じるのも、今の状況を変化させているからこそ起こるものだと言えます。何も変えていないのならそういった感覚が浮かぶことはないからです。ということはそれらを感じるということは、今の自分は確実に変化しているということであり、こうありたいと思うゴール側の自分に向けて確実に近づいているということの裏返しでもあるのです。

水面下での状態が続く時もあれば、一気に上に登る時もある

何かを変える、上達するための行動を起こす時、それを変えられた・上達することができた自分へと向かう道筋を、右上りで直線的に進む図をイメージをしがちです。ですが実際はなかなかそうはならないことの方が多いもの。平坦な時もあれば、下がる(と感じる)時もあれば、緩やかに登る時もあれば、一気に登る時もある。その道筋は決して直線的な一本道ではないのです。

全ての要素がいつも同じ状態の中で行動を起こし続けられるかと言うとそうではありませんし、RPGをプレイする中でエンカウントする敵を倒していく時の様に、「これだけの行動を起こせば、確実にこれだけの結果が得られますよ」と結果を確定的・定量的に推測できるものでもありません。私たちは常に様々な要素が複雑に関係しあう中で、行動を起こしていきながら成長していきます。だからこそ変化や上達に波があるのは当たり前であり、その度合いは人それぞれだと言えるのです。ちなみにこれは逆に言うのなら変わる時は一気に変わる場合もあるということです。私自身の経験でもあるのですが、実際そうなることは意外と多かったりします。

ここまで書いてきた様なことが言えるので、気分が下がっていると感じたり、波があると感じても大丈夫だということをお伝えしています。そしてここまでのことを言い換えれば、そうなることは十分想定できるということでもあります。その「想定できる」という感覚が、実はとても大切なものでもあるんですね。一時期よく聞いた言葉である「こうなることは想定の範囲内です」と認識できることで冷静さを保ちやすくなるからです。そしてその冷静さが、セルフトークを見直したりゴールイメージのビジュアライゼーションを行ったりといった、その後の自分なりの対策や行動をより効果的なものにします。気分が下がっている、停滞していると感じることに一喜一憂しなくても大丈夫。そういった感覚を感じた時には、「変化している何よりの証拠。いい兆候じゃん」「これも成長する過程のプロセスの一つ」の様に、落ち着いてプラスに捉えるぐらいでちょうどいいのです。

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