何かを見て、何かを聞いて、何かに触れて、何かを考え、何かを選ぶ。普段生活する中で、私たちは多くのことを無意識で行っています。例えば今あなたはこの文章を読んでいますが、この文章を「見る」「読む」ということを意識的にやっているわけではないでしょうし、並んでいる文字から意味内容を想起するということもそうだと思います。他にも、これから言葉を発する場面を想像し「イヤだな…」と感じることもいつの間にか心に浮かんできていることでしょうし、街中ですれ違う女性を見て「あ、あの人キレイだな…」と思うこともいつの間にかそうしていることだと思います。

実際のところ、日常の中で意識的に行っていることと無意識で行っていることのどちらが多いかというと、それは圧倒的に無意識の方だと言えます。そしてその無意識の働きの特徴として、何もしなければ現在の状態を維持する様に思考や感情を行動を生み出すというものがあります。だから例えば自分のことを「人見知りだ」と思っている人は、知り合いが誰もいない集まりに参加した時に「あ~、早く帰りたいな…」と感じてしまい、「あ、そういえばあれやらないと」と上手に理由をこぎつけそそくさと帰ろうとしたりします。冷静に考えてみると、これまで自分のことを人見知りだと思っていたとしてもいきなり「新しい出会いを作るチャンスだ!」と思って、どんどんコミュニケーションを取ってもいいはずですよね。「人見知り」を続けないといけない理由はどこにもないのです。ただ頭ではそう思っていても実際はそういかないことも多い。「人見知りだ」を維持する様な思考や感情や行動を、無意識が生み出してしまうからです。そしてそれは、朝起きてから夜寝るまで日常のあらゆる思考や行動の中で起きていること。

自分を変えていったり、成長させたり、高めていくという時。その無意識の働きをしっかりと変えていくことがとても重要になります。無意識が規定している「自分はこういう人だ」というイメージが変わらないと、結局はこれまでと同じ様に思考し同じ様に行動することになってしまい、今の自分を変えていくことが難しくなってしまうからです。ただ無意識とは別の言い方をするのなら「意識していないこと」です。つまりそれに気付いていないからこそ無意識だと言えます。ここで生じる問題は「気付いてないものをどうやって変えるの?」ということ。何かを変えようとするのであれば、その変えようとする対象に気付くからこそ変えることができます。ですが、気付いていない状態では変えられるものも変えられません。

それを解決するための方法はたくさんあるでしょうが、もっともシンプルなのは『日常のあらゆる物事を意識に上げることを習慣付ける』というやり方。「気付いていないのなら、これから気付ける様になっていこう」というストレートな考え方です。日常の中で五感で感じることといった物理的なことから、心に思い浮かぶことや生じる感情といった情報的なものまで。それらを一つ一つ片っ端から意識に上げていく。目の前にあるディスプレイ、文字、聞こえてくる話し声、音楽、着ている服の感触、椅子の座り心地、身体の感覚。「なるほどな…」という心の中で浮かんだ言葉、「嬉しい」という感情、「あ、あの人キレイだな…」と思って見るという行為、…。五感で感じるあらゆることや心の中で感じるあらゆることを意識に上げ、それを生み出している自分自身に気付く。そしてそれをやり続けます。そうしていると、「あ、こんなこと感じてる」とか「こんなことやってたんだ」といった、これまで気付いていなかった自分の無意識での思考や感情や行動にどんどん気付いていくはずです。

これまで無意識でやっていたことを意識に上げられる様になっていく。それは言い換えれば自分のことがよりわかってくる様になるということでもあるんですね。それらは無意識が規定している「自分はこういう人だ」というイメージに基づいて生じてくるものだからです。そしてその新しく気付いたものの中で、自分を変える、成長させる上で邪魔になっているものを一つ一つ変えていく。もちろん邪魔になるかどうかを判断する時は、「こういう自分でありたい」「こういうことを達成したい」と心から思える『ゴール』を基準にして判断していく。一見するととても地道な作業に見えるかもしれませんが、実はこれが意外と効果があるのです。それにやり出すと自分の意外な一面や素直な本音が見えたりとどんどん面白くなってくるはずです。

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