自分自身を成長させていく。自分自身をもっと高めていく。そうしようと思っている時、心の中には二つの『自分』が存在している。一つは「今現在の自分」。もう一つは「ゴール側の自分」、言い換えれば「すでに成長した自分」。そして、まだその「すでに成長した自分」にはなっていないと感じていたとしても、その「すでに成長した自分」として思考し、判断し、選択し、行動していく。すでに「成長した自分」であるかの様に一つ一つのできごとやものごとを感じ、選び、行っていく。それがコーチングでの自己変革における一つの本質だと言えます。

ただ時には「今現在の自分」の価値基準でものごとを感じたり考えたりしてしまって、思いがけず気分が下がってしまうといったこともあると思います。例えば自分より年下なのにすごい結果を出している人を見て、「うわ、この人かなりすごいな。それに比べて何で俺は…」とその人と自分を比べ卑下してしまったりする。例えば会話の中で吃音が出て言葉に詰まってしまい、「あ~、また出たよ…、最悪。変に思われたかもしれない…」と、言葉に詰まってしまった自分を責めたりする。

そういった時にどのようにして自分の心の状態をコントロールし良い状態を維持するか。様々な考え方があるとは思いますが、私が実践していることの一つは『気付く』です。できごとや自分自身の心の動きを、良い悪いや好き嫌いといった主観的な感覚をちょっと脇に置いて、客観的に観てみる。先ほどの例で言うと、「あ、今俺この人と自分を比べて、そして自分を下げてるな。」と意識的に気付く。「あ、吃音が出たことをダメなことだと思って、自分を責めてる。」と事実だけに目を向けてみる。

評価は自分で決められる

人は起きたできごとを認識する時、大抵はできごとの『事実』に何らかの『評価』を加えています。先ほどの例で言うのなら「誰かと自分を比べ、自分の方が下だと思った」という『事実』があり、「劣ってる自分が情けない…」という『評価』があるという具合です。そしてこの時、気分が下がってしまう原因となっているのは事実ではなく評価の方にあります。なぜなら、事実そのものには本来良いも悪いもないからです。ですので先ほどの例えでも評価の仕方を意識的に変えることができれば、結果として良し悪しさえも変えることができる。

例えば、「人と自分を比べること、そして自分を下げることは、すでに成長したゴール側の自分からすると、らしくないことだな。そこでネガティブな感情を感じることもそう。ただまだそうしてしまう「今現在の自分」がいることは事実。だったら人と比べることをしっかりと減らしていけば、すでに成長した自分に確実に近づくことになるな。」という風に、「これから自分がクリアしていくポイントを一つ見つけた」と、前向きに評価することもできるのです。

ただその「評価を自分で選ぶ」ということが意外と難しかったりします。評価は、感情や情動を元になされていることがほとんどだからです。あばたもえくぼという言葉があるように、あまりに情動本位になりすぎてしまっている時はある一つの見方以外の可能性が見えなくなりがちなのです。コーチングの言葉で言うのなら強烈なスコトーマ(心理的な盲点)が生まれてしまう。だからこそ意識的に情動から一旦離れてみて、事実だけを見つめてみるんですね。評価している自分、何らかの感情を感じている自分、評価や感情の発端となった思考や行動をまざまざと眺めてみる。そうするとできごとの評価を自分で選ぶということがやりやすくなります。

もし気分が下がったと感じるようなことがあったら。その時のできごとや状況、自分の評価や感情や情動を否定も肯定もせずに気付こうとしてみる。そうすることできっと違った側面や可能性が見え、実はそのできごとも自分の成長の糧にできるということにも気付けるはずです。

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