人が互いにコミュニケーションを取る時、多くの場合『言葉』を使って互いの思いを伝え合います。朝起きて彼女に「おはよう」と声を掛ける時も、食べたいものをウェイターに伝える時も、仕事の資料を作る時も。そこには必ず言葉が存在している。今あなたが読んでいるこの文章だって、くさんの言葉が並んでいるもの。そして人は言葉の一つ一つに何らかの意味を持たせ、イメージや感情を結びつけています。だからこそ言葉を使ってお互いの思いを伝えることができます。

相手に伝えたい何らかの思いや感情、状況といったものがもともと自分の中にある。それらを伝えるために同じ意味やイメージが結びついた言葉を選び、声に出したり紙に書いたりしてその言葉を相手に伝える。その言葉を受け取った相手は、その言葉から自分が言葉に持たせている意味やイメージや感情を想起し認識することで、相手が自分に伝えたかった思いや状況を理解する。

こういった言葉でのやり取りは普段ほとんど無意識で行っていることなので、あまりに当たり前すぎて気にも止めないことかもしれません。ですが今の自分や現実を変えていこうとする時、実はかなり重要になってくることでもあります。感情やイメージを言葉で表現し、そして表現された言葉によってイメージや感情を想起する。この人が持つ性質のようなものが、一人一人がどんな人間であるのかに大きく関わってくるからです。

たかが言葉、されど言葉

私たちはそれぞれ「自分はこんな人間だ」という『自分らしさ』『セルフイメージ』を持って生きています。そして今の自分をこうありたいと思う自分に近づけていくためには、今の自分が持つ『自分らしさ』をこうありたいと思う自分が持つであろう『自分らしさ』に変化させていく必要がある。どんな『自分らしさ』を持っているかでその人のものの見方や考え方、起こす行動なんかが決まってくるからです。

そしてほとんどの場合、こうありたいと思う自分の『自分らしさ』は今のものとは違うはず。一概に言えることではありませんが、大体今よりもっとポジティブな方向へ進んだもののはずです。例えば「人前で話すことは自分にはとって普通なこと」「自分はたくさんの人に良い影響を与えられている」といったように。であればこうありたいと思う自分と今の自分とでは、発したり考えたりする言葉だって違うものになってきます。自分が発したり考えたりする言葉は自分の中にあるイメージや感情を元にしているものであり、それらは自分がものごとをどのように見ているのか、感じているのかといったことで変わってくるからです。そしてものの見方や感じ方は、どのような『自分らしさ』を持っているかで大きく変わってくる。

こうありたいと思う自分に合った言葉

コーチングの理論では自分が発したり考えたりする言葉を『セルフトーク』と言いますが、この『セルフトーク』を自覚していくことをとても重要視します。その理由はここまで書いてきた通り『言葉』というものは、自分がどんな人物なのかということを如実に表すものだから。

そして、自分が発したり考えたりする言葉がこうありたいと思う自分に合ったものでなければ、積極的にそれを変えていきます。こうありたいと思う自分が発するであろう、考えるであろう言葉に近づけていく。その一つ一つの新しい言葉が新しいイメージや感情を想起させ、これまでとは違った行動を生みだすきっかけになります。そしてその行動の結果はこれまでとは違ったものになる可能性が高い。それはつまりこれまでにあまりなかった経験をするということであり、その経験が『自分らしさ』に変化を起こす材料となるのです。

普段何気なく使う『言葉』。これまで気にもしなかったその一つ一つを意識的に観察し、その奥にあるものに触れようとしてみる。そして必要であれば変えてみる。そうしていくことでこれまで以上に『自分』というものを深く感じられるようになっていきます。

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