私達は一人一人が『自分』を通して、その人にとっての現実を認識できる。だからこそそれぞれが『自分』で決める、自分の評価や価値をもっと大切にしてもいい。前回の記事ではこの様な事を書きました。

起点は自分しかいない

2017.04.14

そして上の様な内容からもしかしたら、「じゃあ自分が考える事だけが一番正しいと思えばいいんですか?」の様な事を思う方がいるかもしれません。これは無論、そういうわけではありません。

『あなた』がいれば『私』もいますし、『あの子』がいれば『この子』もいます。そしてあなたには『自分』があって私にも『自分』があり、あの子にも『自分』があってこの子にも『自分』がある。

一人一人がそれぞれ『自分』を持っていて、そしてその『自分』を通して、それぞれが様々な事を感じたり思ったり考えたりしているのです。言い換えると、それぞれがそれぞれにとっての現実を認識している。だからこそ、例えばある同じ男性を見て「あ、あの人カッコいい」と思う人もいれば、「…」と特に何も思わない人もいるし、例えばある同じ女性を見て「ヤバい、めっちゃかわいいし…」と思う人もいれば、「ん~、ちょっと化粧濃くない?」と思う人もいる。

コーチングの言葉で言うのなら、一人一人が異なるブリーフシステムを持ち、異なるRASを持ち、そして異なるゴールを持っているという事です。これはとても当たり前な事だと思います。

ですが「自分が一番正しい」という状態では、周囲の人も『自分』を持っているという事をつい忘れがちになりやすい。前回書いた「他人>自分」とは逆向きの「他人<自分」という考え方が、その人の中で固定化されてしまっている状態です。

前回の記事から考えると「他人>自分」よりは一見良さそうに見えます。ですがそれが固定されてしまっていると多くの場合、「何であいつはいつもいつも…」と自分の思い通りにならない周囲の人にイライラしストレスを感じてしまう事になります。『自分』と『あいつ』は違う感じ方や考え方を持っているからであり、それが完全に同じになる事はまず無理だからです。

「他人>自分」と「他人<自分」。それぞれが感じるストレスの質は少し違うものの、「周囲の人が気になってしまう」という方向性においてのストレスを感じやすい事には結局は変わりがないんですよね。

じゃあどうすればいいのかと言うと、「他人が正しい」「自分が正しい」という風に固定化して考えるのではなく、しなやかにゆらぎを持たせ、それぞれの状況に合わせてどちらが良いかを選んでいけばいいのです。

ある場面では「あいつはああいうけど、でも俺はこう思う。だからこうする」と考えてもいいし、ある場面では「俺はこう思うけど、あいつの意見ももっともだな。ちょっと参考にしてみようか」と考えてもいい。「他人>自分」とする時もあれば「他人<自分」とする時もある。それぞれの状況や場面でどうするかを『自分』で選んでいいのです。

(そしてもちろんコーチングを実践する中では、それをどうするかは自分が定めたゴールを基準とする事は言わずもがなです。)

私自身、以前は周囲の人が自分をどの様に思っているのかをとても気にしていました。その評価が相対的に下がる事は、私にとってネガティブで強い情動が紐付いていたものだった。だからこそ、そうなる事を避けようと躍起になる事もそんなに少なくなかったと思います。

これは同じ感覚をお持ちの方はきっとわかると思いますが、その状態ってすごく疲れるんですよね。周囲の人が自分に抱く評価が良いものである事を確認できてホッと一安心したとしても、またそれがちょっとでも下がり方向へ動きを見せただけで「あ、ヤバい…」とあたふたとしてしまう。

ですがコーチングを学び実践し、前回や今回の記事で書いてきた事を理解し腑に落とせてきた事で、私自身そうなる事はかなり無くなりました。周囲の人が思っている事に対して、「あ、この人はこう思っているんだ。なるほどそうか」とすごく冷静に向き合える様になり、その上で自分が思っている事と上手に照らし合わせる事ができる様になった。

ただ、いつでも完璧にそうする事ができているかというとそういうわけでもなく、時には以前のネガティブな情動がちょっと顔を出す時もあります。その情動の感覚は結構強烈なものとして、これまで私の脳に刻まれていたと言えるからです。ですのでそういう意味では私自身も鋭意成長中です(もちろん全ての事においてそうですし、それに終わりはないと思っていますし、終わらせるつもりもありません)。

ただその感覚をかなり変える事ができたという実感はあります。だからこそその感覚は無意識での心の使い方の癖の様なものでしかなく、故に誰もが必ず変えられるものだという事に強い確信があるのです。

自分が感じる事と周囲の人が感じる事。それは違って当然であり、無理に同じにしないといけないものでもない。その上で、時には自分が感じる事を優先してもいいし、時には周囲の人が感じる事を優先してもいい。それは自分で定めたゴールを基準に自分自身で決めていいのです。

 

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