現在の認識は過去の記憶で作られている。

これはコーチングの理論の土台となる重要な知見の一つです。こうやってまじまじと眺めてみると「…どういう事?」と思うかもしれませんが、実はこれは誰にとってもすごく馴染みがある事でもあります。

例えば、あなたは今この記事の文章を読んでいると思います。そして、文章の一つ一つの文字を目で見て、そしてその文字や言葉が表さんとしている意味を難なく理解できていると思います。この時、なぜ難なく意味を理解できるかと考えると、それはこれまでその一つ一つの文字について様々な状況で何度も接し、「この文字はこういう意味を持つ」「この文字とこの文字が組み合わされたらこういう意味になる」といった事を学んできたからだと思います。言い換えると、その文字や言葉に対しての様々な知識を持っているから。そしてその「様々な知識」というのは、もちろん記憶の一つです。

上では文字や言葉を例に出しましたが、『現在の認識は過去の記憶で作られている』という知見は、私たちが日常の中で認識するありとあらゆる事の土台にあります。物事へ感じる得意不得意、好き嫌い。仕事をする時のいつもの手順、目の前の人に対して感じる印象、友人と遊んでいる時の楽しさ。今自分が認識している物事や状況について何らかの評価ができるのは、自分が記憶を持っているからこそです。

そしてなぜそれがコーチングにおいて重要になるかというと、それは「自分は〇〇なタイプだ」とか「自分はこれはできるけれど、あれはすごく苦手」といった、今現在の自分自身に対しての認識や評価も、過去の記憶を基にしてできあがったものだからです。

「自分は〇〇なタイプだ」と今思うのも、「人に笑われて恥ずかしい思いをした」といった情動を伴う過去の経験の記憶を基に、自分自身の事を今認識しているからであり、自分はこれはできるけれど、あれはすごく苦手」と今思うのも、「これ」をうまくできて「あれ」をうまくできなかった、という経験を基にした記憶で「これ」「あれ」を今評価しているから。

以前の記事にも書いたのですが、コーチングを自分の日常に取り入れ、自分が定めたゴールへ向かって自分を変えていくという事は、別の見方をすると自分に何ができて何ができないかを変えていくという事でもあります。ゴール側の自分にはできるけれど、まだ今の自分はできていない。それを「今の自分はもうできる」に変えていく。

そしてその時、『現在の認識は過去の記憶で作られている』という知見が自分の中でしっかりと腑に落ちていると、そのための行動を冷静に(淡々と、と言ってもいいかもしれませんね)起こしやすくなります。今の自分が「できない」と思うのも、今の自分が持つ記憶のある一定の状態がそうさせているに過ぎない、という事がわかるからであり、これから自分の記憶の状態を変えていけばいくらでも「できる」と思える様になる、という事もわかるからです。

今の自分の記憶の状態は、ずっと同じまま維持されるわけではありません。これからいくらでも能動的に変えていく事ができます(もちろん本人がそう望めば、ですね)。そして記憶の基となるこれから経験する物事や状況は、自分の意思で選び、変えていく事ができるのです。

 

IMG_1068
Share on Facebook0Tweet about this on Twitter0Share on Google+0Email this to someone

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です